少し前(H26年10月15日)の日経MJの記事(小阪裕司さんの「招客招福の法則」というコラム)ですが、あるペット専門店チェーンさんの取組をご紹介しましょう・・・。
この店では最近、ご利用いただいたお客さんとの絆を短期間に築くことに取り組んでいるが、その成果か、最近あったクレームにこれまでとの違いを感じたというものです。
この店がしていることは、子犬・子猫を購入いただいたお客さんに、7日後に届くよう礼状を出し、その後間を空けずに、礼状をもう一度出すというものです。その間、購入いただいた子犬・子猫の様子うかがいの電話フォローもしますが、この2通の手紙には、感謝の意を伝えるとともに、短期間に自社のことを知ってもらい、絆を築く目的があるそうです。
最初の礼状には感謝の言葉とともに、会社の考え方と歴史、創業者である社長がなぜこの会社を作ったのか、幼少期からどのように生き物に興味を持っていったかなどをつづっています。2通目の手紙では、再び感謝の言葉を伝えるとともに、3ページにわたって丁寧に、写真と解説付きでお手入れの方法を紹介し、プレゼントとして、お手入れ用品を同封しています。
そこで、最初のクレームの話です。あるお客さんがこのチェーン店のA店で子犬を購入しました。その後、より自宅から近いB店でペットフードを購入しました。その際のB店のスタッフの対応に不満を抱き本社へのクレームとなったのですが、そのニュアンスがこれまでになかったものでした。
お客さんが電話口で「こんなに会社は一生懸命にしているのに、その接客はちょっともったいないわよ」と言われたそうです。そのクレームは怒っているようなものでなく、ちゃんとしないとあなたたち損するわよと諭すようなものだったのです。
このお客さんには購入後、一連の礼状が届いています。これらを読み、そういうものを丁寧に作り送ってくる会社の姿勢に好感を持ったのでしょう。
すでにお客さんは店側に立っているのです。
もちろんクレームがないことが望ましいのですが、このチェーンでは、今回の件は一連の取り組みの成果とみています。
短期間でもやることをやれば、絆は生まれるものなのです。