「ひと手間」マーケティングのはなし 3 販促企画でお客様をファン化させ顧客流出を防止

少し前(H26年11月3日)の日経MJの記事(マーケティングコンサルタント竹内謙礼さんの「顧客をキャッチ」というコラム)ですが、株式会社ヒューマンフォーラム(京都市中京区)が運営するカジュアルブランド「スピンズ」さんの取組をご紹介しましょう・・・。

全国で27店舗を展開しており、10~20代に熱烈な支持を受けています。人気の秘訣は参加型の販促イベントです。仮装して来店した人に割引サービスを行ったり、人気モデルやお笑い芸人と触れ合えるイベントを展開したり、お客さんを飽きさせない店づくりに力を入れています。

特に10年以上続けている「SNAP×SNAP」の企画は、ファン作りの原動力となっています。目を引くファッションセンスのお客さんが来店したら、店員が声をかけてスナップ写真を撮影し、その写真を自社のホームページに掲載し、お店と顧客の関係を深めるきっかけをつくっています。

「写真を撮影すると必ず、お客さんは掲載されたホームページを見にきてくれます。お店に親近感を持ってくれるようになるし、ブランド名や店舗名を記憶に刷り込む機会にもなります」。同社の社長はお客さんとのコミュニケーションを深める大切さを力説しています。

「SNAP×SNAP」の企画も、気がつけば撮影した写真の枚数は3万枚以上にもなり、過去には、そのうちの3,000枚を集めて小冊子を作り、お店で販売したこともあります。

地道な施策の積み重ねでリピート客を確実に増やしています。

アパレル関連の商売はトレンドの影響を受けやすくなっています。商品のデザインが集客を左右するため、集客は不安定なものになり、セールに頼った売り方になってしまいます。

しかし、商品以外のところでつながりを強化すれば、お店のブランド力でお客さんを魅了することができます。

販促企画でお客さんをファン化させるスピンズの手法は、顧客流出に悩むアパレル店にとって一考する価値がある戦略といえます。