「女ごころ」マーケティングのはなし 3 女性目線で車の楽しみ方を提案し潜在需要を掘り起こす!!

少し前(H26年8月20日)の日経MJの記事です。

トヨタは昨年、女性社員6人が中心となってカー用品の通販事業「ハピカラ」を発足させたそうです。3千点以上もの雑貨をカタログやネットで販売し、花柄の遮光シートやペットとの同乗で使えるマット、腰が疲れないクッションなど従来のカー用品と異なる商品を扱っています。

女性に人気の雑貨専門店「フランフラン」を展開するバルスと組み、ぬれた傘をそのまま収納できるケースを開発しています。一般的なカー用品にはない鮮やかな花柄が目を引きます。これは「傘もおしゃれに収納したいという女性の声に応じた」とのことです。

カー用品の専業メーカーではなく、女性に人気のあるブランドと限定商品を企画し、専門店にない品揃えをめざしています。現在の会員数は13万人で、5年後に100万人に増やす目標だそうです。

また、通販と並行して車の販売店でカー用品を展示する取り組みも進めています。今年5月に改装したJR渋谷駅近くのトヨタカローラ東京のショールームでは、これまで商談スペースだった1階部分を改装してハピカラの商品を車と一緒に展示し始めました。車を売るだけでなく「自分なりの楽しみ方を見つけてもらう」(同社)狙いだそうです。

トヨタが通販を始めたのはカー用品市場に女性やペット向けの製品が少なかったためです。自動車メーカー自らが通販に参入するのは異例の挑戦でしたが、母親層を中心に支持を集めつつあるそうです。会員をトヨタ車のユーザーに限定せず、誰でも利用できる気軽さも受けています。

トヨタのユーザーで女性比率は3割超です。全国で運転免許を取得している女性の比率は既に4割にのぼります。同乗だけでなく、子供の送り迎えや仕事で1人で運転する女性も増えています。

愛車の内外装を好みのカー用品でドレスアップして自分だけの1台を作る傾向は男性ドライバーだけではありません。自分の好みの空間をつくりたい女性も多く、トヨタは女性目線の商品で車のユーザーの裾野を広げる作戦です。