少し前(H26年8月20日)の日経MJの記事です。
男性は買う商品のスペックを優先する傾向が強いとされています。目先の問題の解決につながることやニーズを満たすことを重視するためで、それに対応した品ぞろえや接客を好みます。しかし、女性向けの売り場づくりには、全く違った視点とアプローチが必要です。
買い物をするとき、女性は商品の色やデザインをスペック(品質や機能)同様か、それ以上に気にするそうです。買ったモノを利用することで身の回りや暮らしがどう豊かになるかというイメージ(印象)を大事にするからです。
「ステキな印象」にこだわる女性のニーズに寄り添い、リピート客をつかんでいる雑貨店が取り組んだはなしをご紹介しましょう・・・。キーワードを読み解くと、5つの「S」が浮かび上がったそうです。
❶ 造花材料、花器専門店
(1)SCENE(シーン) & SHARE(共有)
ギフト、ブライダル、フラワーアレンジなど女性が好む「シーン」を売り場に取り込み「提案」しています。そういったシーンを知人や家族らと「共有」する相談には、売り場中央のカウンターにいる専属スタッフやパネルで丁寧に「説明」しています。
(3)SEASON(季節感)
季節毎に「テーマカラー」を設定し、年に10回ほど「ディスプレー」を更新し、新鮮なイメージを演出しています。例えば、夏の花の代名詞である「ヒマワリ」の黄色が映えるように効果的に赤と白を配置するなどの提案につなげています。
ファッションのトレンド分析を参考に時節毎の流行をつかんで、販売動向やお客様さか集めた情報まどの加味し、テーマから―を設定されています。
(4)SIGHT(視線)
いつも女性の視線を意識して「商品陳列」を考えています。陳列は天井の高さや高低差をうまく生かしています。お薦め品や売れ筋品は平均的な身長の女性が見やすい場所に並べます。目線の先に気を引く商品があるので、思わず手を伸ばしたくなるというわけです。
❷ 傘専門店
(5)SELECTION(選択肢)
最大の特徴は「選択肢」の多さ、布地の色(77種)×持ち手×丈の長さ×房掛けなども自分が好きなタイプを選べます。生地の色が同系統であっても、持ち手や房掛けの組み合わせで見た目はガラリと変わります。色々な色の生地を品定めしてベストの1本を作れることは来店動機になっています。
①シーン毎に違いタイプの傘を使い分けたい「個人需要」
②気持ちや豊かな生活シーンを相手と分けあえる「贈り物としての需要」
2店の取り組みを見る限り、長居してもらえる店づくりは規模に関係なく、
キーワードの設定と演出次第で可能だといえそうです。