ちょうどある本を読み終えたとき、この記事を目にしました。その本とは「一流の本質」クックビズ(株)Foodion、サブタイトルは「20人の星を獲ったシェフたちの仕事論」です。ホリエモンの推薦文には「この本は、料理の本ではない。もっとも競争の激しいビジネスを勝ち抜いた、プロたちの物語だ。」とあります。
20人のシェフたちの「教え」をご紹介します。
〇常に「一歩先の理想」を求めて
〇「常識」はクリエイティビティの邪魔になる
〇ガストロノミーのAppleやGoogleを目指して
〇離職率の低さが3店舗すべて星付きにつながった
〇可能性は自分次第でどこまでも広がる
〇正解のない道でベストを探し続ける
〇チェックポイントが多いほど、クオリティを保てる
〇料理人とは2時間で人を幸せにできる最高の職業
〇競争ではなくモノポリーを目指したい
〇運も縁も、自分の行動次第でつかむことはできる
〇さまざまな経験を融合するから「新しいもの」ができる
〇究極のスタイルを妥協せずにやりきる
〇感性を錆びつかせないために動き続ける
〇毎日のトレーニングの先に「未来」がある
〇疑うところから始めよう
〇変えることを恐れないから古くならない
〇媚びずに、最高のものをつくり続ける
〇「知りたい」という欲求の積み重ねで、どこまでも成長していく
〇不安を自信に変えていく集中力
〇イノベーションの種は、どこにでもある
フランス料理を現地で修行するために、まずフランス語の勉強から始めた人。半年毎に修行する料理店を変えて都合30店舗で修行した人。自信を持って開店してもしばらくお客様が誰も来なかった、しかし一組だけの予約が入っても断った、そのうちに予約のとれない店になった人。徐々に品質を上げるとともに価格も上げて、それでも価値を見出していただける常連客だけに絞っていった店など、20人が20人とも苦労してミシュランの星を獲ったという話でした。ただここではっきり言えるのは、全員が目標を持って、夢を持って、その実現に向かって邁進したという事実です。
私も、創業を目指される方々にはいつもこう申し上げています。「目標を持って創業して下さい」と。はっきりとした目標があれば成功確率が違ってきます。何よりも目標があるとがんばれます、と。
さて、話を元に戻して、日経MJの記事ですが、2015年、元ライブドア社長の堀江貴文氏がツイッターで「寿司職人が何年も修行するのはバカ」と発言し、炎上したことがあったそうです。数年前にはこの本の推薦文と真逆なことを言っていた訳ですねえ。
落ちの話になりますが、新聞では、「短期間の学校を卒業した時点では、ある程度の技術が身につくかもしれないが、立ち居振る舞いなどに深みが出ない」。客とのあうんの呼吸の間合いや手際の良さなど、下積みで得られるものは多い。職人になるまでの道筋が複数できたことには大きな意義があるが、下積みが醸し出す「雰囲気」も店の重要な魅力なのだ、と結んでいます。修行あっての価値もあるんですね。平成29年4月19日 日経MJ